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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
頼経は優しい眼で瑶子を見た。
「言い訳がましいかもしれぬが、私は何もそなたをあやつに渡したくなくて、このようなことを申しているのではないぞ。もし惟章が本当にそなたを愛しく思い、これから先もずっと瑶子を労ってくれるというなら、歓んでそなたをあやつの手に委ねよう。互いに想い合うそなたたちであれば、できるなら想いを遂げさせてやりたい。それが私の気持ちだ。だが、惟章は大切なそなたを託すだけの器とは思えぬ、それが理由だ」