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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
 その時。先刻よりも更に大きな音がして、地が揺らいだのかと思った。眩しいほどの閃光が視界を覆い尽くし、それから彼の意識は次第に遠くなっていった。
 熱い、身体が燃えるように熱い。いや、俺は今、まさに燃え盛る劫火に灼かれている最中なのだ。惟章は自分が雨宿りに選んだ場所―大樹に落雷が落ちたことをその時、初めて知った。
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