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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
 姫の笑顔が眩しくて見ていられなくなった頃から、姫は俺にとっては特別な〝女〟になった。瑶子、もう一度だけ、瑶子に逢いたい。
 そこで、惟章の意識はふっつりと途絶えた。
 大樹は紅蓮の焔に包み込まれ、轟々と音を立てて燃えていた。時折、火の粉が舞い上がり、それは到底、この世のものとは思えぬ烈しくも凄惨な光景であった。  
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