この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
最初の方こそ、なかなか緊張して眠れなかったものの、今では瑶子は安心して頼経と枕を並べて眠ることができる。これまで数度閨を共にしても、頼経は一度も瑶子に触れようとはしなかった。
たまに、かえって自分には女としての魅力がないのかと瑶子が落ち込むほどである。
一方、瑶子の中には依然として惟章への恋情がいまだ消えぬ燠火のようにくすぶっている。頼経の言うように、惟章がたとえ一時激情のあまり瑶子を犯そうとしたのだとしても、それは本心ではないと信じていた。
たまに、かえって自分には女としての魅力がないのかと瑶子が落ち込むほどである。
一方、瑶子の中には依然として惟章への恋情がいまだ消えぬ燠火のようにくすぶっている。頼経の言うように、惟章がたとえ一時激情のあまり瑶子を犯そうとしたのだとしても、それは本心ではないと信じていた。