この作品は18歳未満閲覧禁止です
一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
瑶子が惟章をまだ愛しているのは確かだ。心優しい娘は自分を手籠めにしようとした男を許し、いまだに想っている。頼経に言わせれば、幾ら惚れ合った仲だとはいえ、女を暴力で服従させるなぞ男の風上にも置けないと思うのだが。
彼自身、十代の頃、最初の妻である千種と初めて結ばれたときは確かに力に物言わせて抱いたこともある。惟章のようにはっきりと手籠めにしようとしたわけではないが、あの初夜のことも若気の至りだと今では思っていた。