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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
 だが、抱きしめた途端、瑶子の身体から急速に力が抜け落ちた。あまりに深い絶望と哀しみのあまり、意識を手放してしまったのだ。
「許せ―。結局、私はそなたを守ってやるどころか、哀しませることになってしまった」
 頼経はやるせなさげに呟き、腕の中でぐったりとする瑶子の髪を撫でた。
 瑶子が目覚めたのは、その日の夕刻だった。数時間は昏々と眠り続けた妻の傍らで頼経はずっと妻の顔を眺めていた。
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