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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
 最後に桜樹の下で見た彼のあの哀しげな瞳は今、まさに夢の中で見る惟章のものと同じなのだ。
―抱いて。
 瑶子は惟章を見上げて言った。
―あの時、あなたが私に逢いにきてくれた夜、私はあなたを一人で行かせてしまった。そのことをどれだけ後悔してるか知れない。今度、逢えたなら二度と手を放さないと決めたの。だから、私も連れていって。
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