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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
「これで全部挿入った」
 本当ならひと息で入りたかったのだが、未通の瑶子のことを思いやってくれたのだ。頼経の額にも汗が浮いていた。
「痛みは治まったか?」
 気遣うように問われ、瑶子は小さく頷く。本当はまだ痛かったけれど、頼経の額の汗を見れば、彼がどれだけ抑えているかは判る。だから、自分は大丈夫だと伝えたかった。
 頼経の面に何とも艶麗な微笑が浮かび上がった。
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