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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
朝の光が眩しく煌めいている。瑶子は長い睫を震わせ、眼を見開いた。頼経の姿は既に隣にはなかった。特に寝坊をしたというわけでもないのに、何故、今朝に限って、こんなにも早く表に帰ってしまったのだろう。
せめて初めて結ばれた朝くらいは、隣にいて欲しかった。後朝の名残を少しくらいは惜しみたかったのに。瑶子は淋しかった。いつもなら、この後、二人は朝食を共にすることが多いのだが、この朝、頼経は朝食にも現れなかった。