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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
 瑶子は続きの言葉を待ったが、それはついに聞くことはなかった。頼経の端正な面に浮かんでいたのは紛れもなく、聞いてはならない言葉を聞いたかのような表情だった。彼はもう何も言わず、そのまま傍らに散らばった夜着を手早く着て帯を締めると布団に入った。
 自分ひとりだけが裸でいるのも虚しい。瑶子もまた緩慢な動作で夜着を纏い布団に入った。頼経は背を向けている。
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