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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
 ビクリとして振り返ると、頼経が烈しい眼で睨みつけている。
「かようなところで何をしている!」
「私―」
 瑶子は初めて我に返り、現実を認識した。
「私はここで何をしていたのですか?」
 刹那、瑶子の身体は引き寄せられ、頼経の腕に抱きしめられていた。
「そなたは今、自ら海に入ろうとしていたのだぞ」
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