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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
頼経もその心ない噂は知っていた。が、若くして亡くなった千種はこの死後四年ではや伝説の人と化してしまっている。千種が気高く美しかったのは確かなことだが、最近では竹御所誕生の砌は鎌倉の黎明の空に鳳凰が舞っただのその噂にも信じられないような尾ひれがついていた。
竹御所が二代頼家の息女であり、源氏嫡流の血筋を誇る姫、更に跡継ぎたる男子を産みながら死産、薄幸の死を遂げた―その劇的な生涯が余計に神話化されるきらいがあるようだ。
竹御所が二代頼家の息女であり、源氏嫡流の血筋を誇る姫、更に跡継ぎたる男子を産みながら死産、薄幸の死を遂げた―その劇的な生涯が余計に神話化されるきらいがあるようだ。