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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
やはり、という想いが駆け抜け、千種はまた涙ぐんだ。が、頼経は次に思いもかけないことを言った。
「そなたを抱けば、身籠もる可能性が出てくる。私はできるならば、それを避けたかった」
瑶子は愕いて頼経を見上げた。
「何故でございますか?」
頼経の声がかすかに震えた。
「先御台は出産したがために死んだ。何日も苦しみ抜いて、たくさんの血を流して亡くなったのだ。生まれた子も助からなかった。先御台も子も私が殺したようなものだ」
「そなたを抱けば、身籠もる可能性が出てくる。私はできるならば、それを避けたかった」
瑶子は愕いて頼経を見上げた。
「何故でございますか?」
頼経の声がかすかに震えた。
「先御台は出産したがために死んだ。何日も苦しみ抜いて、たくさんの血を流して亡くなったのだ。生まれた子も助からなかった。先御台も子も私が殺したようなものだ」