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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
 頼経がさも怖ろしげに言った。
「そなたは死ぬかもしれない」
「私は死にませぬ」
 瑶子は頼経の眼を真っすぐに見つめ返した。
「そのようなことは判るものか、鞠子は―」
 頼経がハッとした表情で〝済まぬ〟とうつむいた。
「良いのです」
 瑶子は微笑み、頼経の顔を覗き込み、その大きな手のひらを自分の小さな掌(たなごころ)に包み込んだ。
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