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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
 瑶子が頼経を見た。
「お湯をたくさん沸かして下さい」
「たくさんとは、どれくらいだ」
「たくさんです」
「―」
 頼経が絶句する。
「あと、乾いた清潔な布も」
「そんなものがあるのか?」
 頼経はまたまた頭を抱えた。しかし、それ以降は瑶子は会話することもままならなくなった。それほど酷い痛みが彼女を襲い始めたのである。
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