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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第29章 第五話 【今宵の桜~義高と大姫のものがたり~】

今、この方についてゆかなければ、私は一生涯後悔することになる。このまま肉体はこの世にあっても、魂だけはあの世に置いてきぼりにしたような―そんな空しい日々を重ねて、いつ果てるか知れない無為の生涯を送ることになるだろう。
大姫は義高を見上げて、そっと頷いた。
―もう、あなたなしで生きていくのはいや―
口には出さなかったけれど、義高は正しく理解してくれた。義高ができあがったばかりの花冠を頭に乗せてくれた。
大姫は義高を見上げて、そっと頷いた。
―もう、あなたなしで生きていくのはいや―
口には出さなかったけれど、義高は正しく理解してくれた。義高ができあがったばかりの花冠を頭に乗せてくれた。

