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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第33章 浜辺の約束

たとえ頼嗣本人がどれほど望んだとしても、執権経時はもちろん、頼嗣の父頼経どころか、千草の両親ですら許さないだろう。
今は将軍家の乳人として絶大な権力を握る河越氏だが、所詮、代々執権を務める北条得宗家に敵いはしない。北条に楯突くことはそのまま破滅を意味する。
黙って大人しくしていれば今の権勢を保てるのに、わざわざ事を荒立てる必要はない。父康英は無骨な東国武者を絵に描いたような男で、政にも人の機微にもまるで疎いが、その程度のことは理解しているはずだ。
今は将軍家の乳人として絶大な権力を握る河越氏だが、所詮、代々執権を務める北条得宗家に敵いはしない。北条に楯突くことはそのまま破滅を意味する。
黙って大人しくしていれば今の権勢を保てるのに、わざわざ事を荒立てる必要はない。父康英は無骨な東国武者を絵に描いたような男で、政にも人の機微にもまるで疎いが、その程度のことは理解しているはずだ。

