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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第34章 切なる願い~父と息子~

「あまりに分に合わぬ身分はその人にとって、かえって仇になり、その者は身を滅ぼすという。昔(いにしえ)から伝わる呪いをかける法の一つだ」
「そんな―。上皇さまがそんな怖ろしい」
「後鳥羽院の幕府嫌いは有名であったからな。現に、後に承久の乱を起こされ、倒幕の兵を挙げられた。その頃には私は既に鎌倉にいたのだ。ま、北条義時には、実朝公のそのような京好みが気に入らなかったのだろう。源氏は武家の棟梁、武士が公家のようになってしまったのでは本末転倒だからな」
「そんな―。上皇さまがそんな怖ろしい」
「後鳥羽院の幕府嫌いは有名であったからな。現に、後に承久の乱を起こされ、倒幕の兵を挙げられた。その頃には私は既に鎌倉にいたのだ。ま、北条義時には、実朝公のそのような京好みが気に入らなかったのだろう。源氏は武家の棟梁、武士が公家のようになってしまったのでは本末転倒だからな」

