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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第35章 対決~将軍と執権~
 頼嗣の耳奥でまたも康英の言葉が甦った。乳兄弟の死を聞きつけ駆けつけた彼に、康英は確かに言ったのだ。
 この件には一切拘わるな、殺されたのが倅でむしろ良かったのだ、と。あの言葉は、息子康経が将軍の身代わりになって北条に殺されたのだと康英が知っていることを示していた。
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