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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第37章 浜辺にて(二)

そうこうしている中に、頼嗣の妻にして御台所となった檜皮姫が俄な病に伏し、執権経時までもがあい続いて病気になった。加持祈祷の甲斐もなく、檜皮姫は亡くなった。頼嗣より九歳年上の二十三歳だった。更に妹の後を追うように経時も病死したのである。
北条得宗家は不幸続きで、縁戚である将軍家も喪に服すこととなり、側室が御所入りすることも叶わなくなった。新しい得宗家の当主時頼はなかなか辣腕家で、策略家とはいえどもまだ表面は大人しかった経時に比べれば、かなり強引な男だった。
北条得宗家は不幸続きで、縁戚である将軍家も喪に服すこととなり、側室が御所入りすることも叶わなくなった。新しい得宗家の当主時頼はなかなか辣腕家で、策略家とはいえどもまだ表面は大人しかった経時に比べれば、かなり強引な男だった。

