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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第37章 浜辺にて(二)

これで得宗家は独走状態となった。同年の中には幕府は朝廷に願い出て、後嵯峨天皇の皇子宗尊親王を六代将軍として招来することに成功、ここに幕府念願の〝宮将軍〟が誕生した。これに比して四代、五代の摂関家出身の将軍は〝摂家将軍〟といわれる。
宗尊親王を新しい将軍に頂き、幕府は再び安寧を取り戻したかに見えたその矢先、再び騒動が起こった。幕府内でも筆頭御家人として目されていた河越康英が失脚、あろうことか迎えたばかりの将軍宗尊親王を誅殺し奉る呪詛を行っていたと密告があった。
宗尊親王を新しい将軍に頂き、幕府は再び安寧を取り戻したかに見えたその矢先、再び騒動が起こった。幕府内でも筆頭御家人として目されていた河越康英が失脚、あろうことか迎えたばかりの将軍宗尊親王を誅殺し奉る呪詛を行っていたと密告があった。

