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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
 それにと、恒正は眼前の若者をつぶさに観察しながら考えた。
―この男、使いようによっては河越家の役に立つやもしれまいて。
 短い時間ではあったが、恒正は時繁の言動はずっと見てきた。他人の心を読むことに長け、物事の機微を鋭敏に察知することのできる男だ。
 だが、恒正はこの若者に腹の内をさらけ出すつもりは毛頭なかった。
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