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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
 旅立つ彼に、養父は家の奥からぼろ布にくるまれた包みを差し出した。
―これは?
 物問いたげに見つめる時繁に対し、養父は応えた。
―これは神器にございます。
 流石に時繁もこのときばかりは度肝を抜かれた。二つの神器は確かに祖母二位の尼が幼帝である彼と共に腕に抱き入水した。しかし、その一つ草薙剣はいまもって不明とされているからだ。
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