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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第10章 雨の朝(あした)
 三代実朝は頼朝と政子の次男である。将軍位についたときは、まだ十二歳の幼さであった。政子やその父時政は幼い将軍を傀儡として、自分たちが意のままに政権を操った。実朝は穏やかな性格で、母や北条と争うことはなかったのだが、不幸にも二十七歳で頼家の忘れ形見である公暁に殺された。
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