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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿
「紫という名は私が付けたのじゃ。紫は人の縁のゆかりに通ずる。生まれた姫が様々な人と良き縁を結び、幸多き生涯を送れるようにと祈りをこめた」
 政子の手が千種の髪を愛おしむように撫でる。 
「ゆっくりと養生しなされ。また貌を見にくるゆえ、次のときは元気になっておるのじゃぞ」
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