この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿

こんなところで卑しい男に陵辱されてしまうのかと思えば、死んだ方がマシだと思う。祝言からはや四年、形ばかりの良人頼経とは貌を合わせることもなく日々が過ぎている。
実のところ、一、二度は政子に泣きつかれたらしい頼経が寝所を共にしようと遣いを通じて誘ってきたこともあったのだが、千種の方で丁重に辞退した。自分を疎んじている年若い良人と今更、お義理で同衾して戴かなくても結構、それほどの誇りは身代わり姫の千種にも許されるはずだ。
実のところ、一、二度は政子に泣きつかれたらしい頼経が寝所を共にしようと遣いを通じて誘ってきたこともあったのだが、千種の方で丁重に辞退した。自分を疎んじている年若い良人と今更、お義理で同衾して戴かなくても結構、それほどの誇りは身代わり姫の千種にも許されるはずだ。

