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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第3章 父と娘
「元々、親や祖父の代は武士だったというからな。まあ、身分の低い武士だったから、今もこんな名前に拘らなくても良いのかもしれないが。知り合いは皆、トキって短く呼んでるから、あんたも好きに呼べば良い」
 ひっそりとした笑みは今度は自虐的でもなく、何とも淋しげだった。何故、彼はこんな笑い方をするのだろう。
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