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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
 と、今度は男が紅くなった。
「何だと? 私を子ども扱いするのか?」
 喜知次が含み笑う。
「落ち着かれておりますゆえ、お歳を召して見えますが、実のところ、まだ十五、六におなりになったばかりなのでは?」
「う―」
 男は耳まで染めて、喜知次を睨んだ。その様子では、喜知次の指摘が的中していると自分で白状しているようなものだ。
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