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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
 黙っていても、気まずさは微塵もない。二人で共有する時間がまたとない貴重なものに思えた。その沈黙が突如として途切れた。
「千種、先日の話だが」
 切り出され、千種は眼をまたたかせた。
 男はうつむき、また貌を上げて言う。
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