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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
 純白の雪を思わせる可憐な小手毬、眼にも鮮やかな橙の山吹、遅咲きの珍しい桜。この花束に頼経には忘れようもない記憶があった。頼経は襖の向こうを見つめた。この先に初めて対面する妻がいる。
 もしや―。淡い期待に胸を轟かせて頼経は襖を開けた。
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