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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
 絶望が千種の胸をどす黒く染めた。
 私は今度こそ、この方を嫌いになるかもしれない。
 千種を空き部屋に引き入れた頼経はまた元どおりに引き戸を閉めた。ここで彼が何をするつもりなのかは明らかだ。
恐らく、これが最後の機会になるだろうと思った。この言葉が想いが届かなければ、頼経への想いもこれで断ち切られる。
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