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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実

「考えてもみて下さい。私はあなたの妻という立場にありますが、既に三十路を過ぎています。あなたの立場上、源家の娘である私を離縁することはできないのは判っています。でも、いつかあなたご自身が由比ヶ浜で語っていたように、私という妻がいても、頼経さまにふさわしい若い姫君をお側に迎えることは可能でしょう。御所さまはまだ十六歳になられたばかり、私は頼経さまが頼経さまにお似合いの姫君とこそ、これからの長い人生という日々を過ごされるべきだと存じます」

