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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
その同じ日の夜。千種は頼経と十日ぶりに膚を合わせた。定刻に将軍は御台所の寝所に渡った。
彼の唇が触れる箇所が残らず燃え上がっている。身体が熱くて、堪らなかった。
千種は彼の膚に触れたい衝動を抑えきれず、手を伸ばした。恐る恐る触れると、その小さな手を彼の手がしっかりと掴み、自分の逞しい胸板に導く。
初めて自ら触れる男の身体は随分と固く感じられた。固さとはおよそ無縁の自分の身体とのあまりの違いに愕く。