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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜

恒正は至極上機嫌で繰り返した。
「そなたの嫁入りが明日に決まった。夕刻、北条家から迎えの輿が寄越される。時晴どのは既に一度、御所で遠くからそなたを見かけたことがあるそうでの、祝言にもいたく乗り気だとのことじゃ。本来ならば六月にというところを早めて欲しいと仰せになるほどの執心ぶり。加えて、わしとしてもそなたがまた妙な心を起こさぬ中にさっさと嫁がせてしまうが良いと思うて、急遽、予定が早まった。そなたもそのつもりでおるように」
「そなたの嫁入りが明日に決まった。夕刻、北条家から迎えの輿が寄越される。時晴どのは既に一度、御所で遠くからそなたを見かけたことがあるそうでの、祝言にもいたく乗り気だとのことじゃ。本来ならば六月にというところを早めて欲しいと仰せになるほどの執心ぶり。加えて、わしとしてもそなたがまた妙な心を起こさぬ中にさっさと嫁がせてしまうが良いと思うて、急遽、予定が早まった。そなたもそのつもりでおるように」

