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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第13章 藤の舞
白拍子は時に身をひさぐこともあるのは存じておる。されど、身を売らずして芸を売る、そのような白拍子が一人くらいはおっても良いのではないか、環よ。
その切々とした諭しに、環は泣いていたそうだ。
政子は話の終わりにこんなことを言った。
「その環は頼経どのの説得に感じ入ったものか、都に舞い戻り芸事に励んでいると聞くが、共に踊ったもう二人の中の一人を頼経に環を勧めた重臣が気に入り、側に置いて妾としているそうな」