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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第13章 藤の舞
その心底嬉しそうな表情に偽りは欠片ほどもなく、政子なりに嫁いでからの千種の幸せを願っていたこと、やむなく紫姫の替え玉に仕立て上げたのをずっと気にしていたことが判った。
「お祖母さま、ありがとうございます」
千種は政子の眼を見つめ返し、心から礼を言った。
「何の孫の心配をするは祖母の愉しみ。紫は源氏の血を引く大切な姫、これより後も頼経どのにまめやかにお仕えし、御台所としての務めをまっとうして下され」
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