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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第14章 身代わり姫の告白
「私は紫姫ではありません」
 放たれたそのひと言に、頼経は訳が判らないといった顔だ。それは当然だろう。千種は四年前の秋、突如として御所に呼び出され、政子から亡き紫姫の身代わりを命じられたときのことを語った。
 更にその二ヶ月後の祝言を経て、今に至るのだということも。
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