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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第14章 身代わり姫の告白
千種は続けた。
「身代わりを命じられたときは、私も尼御台さまをお恨み致しました。あの時、私は選択の余地すらなかったのです。退路を断たれ、ただ前に進むしか生きるすべはないのだと言われたのも同然でした。何故、我が身がそのような運命に―他人の人生に巻き込まれ翻弄されねばならないのかと、すべてが虚しいものに思えました。でも、その中にふと気付いたのです。尼御台さまが守りたかったものを私も共に守ろうと」