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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ
そのままエレベーターに乗り込むと
5階のボタンを押して
一息吐いた。そして、
「ってか、ここの5階って
このマンションの住人かよ。
自分のマンションの屋上で自殺って
迷惑な住人だな。」
男は沈黙に耐えられなかったかのような言い方をしていた。
5階に着いてエレベーターを降りると
男は手を離した。
私はその手を見た。
誰かも分からない男になぜここまで執着するのか。
私は部屋の鍵を開けると
ドアを開けて男を見た。
「?何?早く着替えて来たら?
俺はもう行くわ。」
「待って。」
「何だよ。」
「上がって、行って。。」
小声で言うことしか出来なかった。
聞こえたか分からない。
「それ、誘ってんの?
見ず知らずの男を部屋に上げて大丈夫?」
「助けて貰った、お礼。」
「助けてねぇよ。」