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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ

私は愛想笑いをして、

男をただ見つめた。

男はその視線に負けたかのように

部屋へと入った。

私も男に続いて部屋へ入ると

まだ乾ききっていない体をタオルで拭いた。

男は玄関で立ち止まっている。

「風邪引くから風呂に入れば?」

男は早く帰りたいとでも言うように
「じゃあ、俺は帰るから。
戸締まりしろよ。」
そう言って部屋を出ようとしたから

「待って!」

私はまた男を引き留めた。

「なんだよ。帰らせてくれよ。」

私は返す言葉が見付からず
また走って手首を掴む。

この手を離したくない。

なぜだかとても心地がいいから。

男は渋々部屋へと上がり
床に座った。

私が手首を掴んでいるから
私も隣に座る。

男は鬱陶しそうに私を見るけど、
無理矢理手を離そうとはしない。
黙って掴ませていてくれた。

「部屋、なんにもないね。
引っ越して来たばっか?」

男が沈黙に耐えられなかったのか
また話し出す。

「5年くらいになる。」

「へぇ~
男みたいな部屋だな。」

私は他の女の子の部屋を見たことがないから分からないけど、うん、とだけ言った。

「この写真、、これあんた?」

テーブルに置いていた数枚の写真。
店で撮ったものだった。

「うん。」

「笑うと可愛いね。でも、愛想笑いだってバレバレ。」

愛想笑いがバレバレだと言われたのは初めてだった。
みんな気付いてても言わなかったから。

無意識に手の力を強めていた。


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