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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ
「他には?」
「?」
「写真。」
「これしかない…」
「そっか。
名前は?」
「いちこ」
「俺はこうた」
「こうた…」
「そ、こうた」
「結婚してるの?」
私はこうたの左手薬指のリングを見て尋ねた。
「え?、あぁ、これ。ただの飾りだよ。
結婚はしてない。」
会話のキャッチボールは上手くない。
仕事の時は嘘で塗り固めているし
割り切っているから出来ているけど、
プライベートでは全然ダメ。
だから、こうして会話も続かないし
広げる事も出来ない。
苦手だ。
こうたの事は素直に知りたいと思うけど
話すことが苦手で面倒臭くなる。