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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ

「いちこ…。さっきから帰ろうとすると頑なに俺を止めるけどなんで?」
「…分かんない。」
「じゃあ、いいだろ帰っても。」
「………帰らないで。」
「いちこ。何企んでる?
俺も男だし
そんなに言われると誘われてるようにしか聞こえない。
そう捉えていいってこと?」
私はこれ以上言葉を返せず
離れたくもなかったから
頷くことしか出来なかった。
こうたはそれを確認すると
「分かった」とだけ言って帰ることをやめた。
そして居間の床へ座った。
私も隣に座る。
ただ、こうたの顔は怖くて見れない。

