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笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ

こんな感情初めて…。
するとこうたが私の手を握って来た。
―――――っ!!!
驚いて肩を震わせたけど
自然と落ち着く。
私も握り返した。
そのまま強く握ったり、力を弱めたり…
手の感触を確かめながら
離すことはしなかった。
私は無意識の内にこうたの肩に頭を寄せていて
腕にもう片方の腕を絡めていた。
私からこうするのは産まれて初めてで…
母に甘えることも無かった私は
甘え方もよく知らなくて…
ただ本能でくっついていたい、そう感じた。
人の体は思った以上に温かくて
ぬくもりが心地いい。
男としてじゃなくて、
人間としてこうたが好きなんだと気付いた。
だからママとは違う好きなんだ。
ママのことも人間として好きだけど
同性として憧れるという意味で…
性に囚われず、その人間が好きだから
男であるこうたに対して嫌悪感を抱かない。
少しだけ納得した。

