この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
笑うことしか出来ない私へ
第3章 優しいフリ

顔を洗い終えるとソファーへ戻る。
こうたは明日仕事って言ってたけど、
今日は何も予定ないのかな?
こうたが起きたらちゃんと話せるかな。
顔を合わせるのも恥ずかしいというか
気まずい。
こうたが帰るって言ったら…言うよね。
昨日から言ってるし。
帰って欲しくないな…。
私、今までこの部屋で一人だったけど
全然苦じゃなかった。
むしろ、楽だったのに。
でも、部屋で何をしていたのか聞かれると分からない。記憶にないな。
毎日居たのに。
こうたが帰ったら私は何をするのかな。
色々考える。
寂しくなるな。
たった一日、こうたと居ただけで。
初めて人を部屋に上げた。
5年間一度も自分以外に部屋に居た人は居なかった。
不思議。

