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笑うことしか出来ない私へ
第5章 ぬくもり

そう思っていたところに
チャイムが鳴る。

私は浮かれながら玄関へと向かった。

目の前に居たのは
待ちに待ったこうた。

「おつかれ」

「お疲れ様。待ってた。」

「一回家帰ってたんだ。ごめんな。
今日のいちこはなんか違うね。」

「化粧してるからかな。
後は…パジャマじゃなくて
ちゃんと服着てるし。」

「それか!
この間はスッピンパジャマで
色気もくそもなかったもんな!」

こうたと玄関でそんな会話をする。

「上がる?」

「あ、あぁ。何か食べたいものある?」

こうたは部屋へ上がりながら
私に尋ねた。

「………何だろう。」

「酒は?」

「私、あまり飲めなくて…。」

「へぇ~以外だな。
じゃあ、居酒屋よりレストランにでも行った方がいいな。」

「う、ん。」

さりげない気の使い方…
というか、私にとってはとても優しい接し方。
初めて2人で行く異性との食事。

「じゃあ、車回して来るから
準備したら下に来いよ。」

「うん。」

こうたは先に家を出た。

私はテレビや電気を消して
バッグを持って
部屋を出た。

もちろん、しっかり戸締まりもした。

あ~ドキドキする~
緊張する…。
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