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笑うことしか出来ない私へ
第5章 ぬくもり
「おっきい車だね。」
私はこうたの車の助手席でそんなことを口にした。
車の中ももちろん、窓から外を見たりしている私の姿を見て
こうたは笑いながら子供みてぇ~と呟いた。
車に乗るのもあまり経験がない。
昔教習所に通ったことはあったが
生活苦から金を払えなくなり
期限が切れてしまった。
無駄金にしてしまったものだ。
後で後でと思っている内にこのザマだ。
実際、車がないことに対して
あまり不自由もないので
困りはしていないけど
身分証明が面倒臭かったりする。
「着いたよ」
そう言われ、車を降りると
隠れ家的なおしゃれなレストラン。
「お、おしゃれ…」
店の外にまでいい匂いが漂っていた。