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片想いの行方 2
第12章 叶わない願い
「…………?」


なぜか歯切れが悪いヒメを見て、私はちょっとイラっとする。

……何よ、その泳いだ目。

別に、彼女ですって言ってくれなくていいもん。

てゆーか、言えないって分かってるし!

コーヒーを口に含んだヒメの代わりに、私はヒカルさんに体を向けた。


「実は、何の因果か私もヒメの同級生なんです。
高校の時の……」

「え!?」


私が言い終わらないうちに、ヒカルさんはガタっと椅子を鳴らして振り返る。


「高校時代の同級生!?」

「は、はい……
私もヒメがこの会社に転職してきた時は驚いて……」

「お名前は!?」


ヒカルさんが身を乗り出すと、ヒメが顔を片手で覆って反対側を向いた。

な、なに……?

付き合ってるとは言ってないし、名乗っても特に問題ないよね?

対照的な2人の態度を見て、私は恐る恐る口を開く。


「……生産管理部の
香月……美和です」

「…………!!!」


私が名乗ると同時に


ヒカルさんは突然立ち上がり、ガバッと私の両手を掴んだ。

そして、キラキラと目を輝かせて私の顔に近付く。


「いや~~ん!!♡
美和さん!!
あなたが彼の愛する美和さんなのね!!」
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