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片想いの行方 2
第12章 叶わない願い
「あたしはこれでも4年間、あんたと一緒につるんでたから」


ヒカルさんはニヤリと笑ってヒメに目を向ける。


「ヒメがこの会社にいる理由も
ここでこうして2人で向かい合ってることも
……分かっちゃったなぁ、あたし♪」

「……………」

「彼女は何人?なんて言っちゃって悪かったね。
許してチョンマゲ♡」


ヒメはチッと舌打ちをすると

誰にも言うんじゃねーぞと、一言だけ小さく呟いた。


……なんか、いいなぁ。

不機嫌そうな顔をしながらも、否定しないヒメを見て

ヒカルさんを信用して、すごく良い友人関係を築いてるんだなってことが分かる。

多くを語らずとも理解できる男女って、すごく素敵だよね。


「……本当に良かったね、ヒメ」


さっきとは違う、落ち着いた優しい表情で

ヒメを見て、ヒカルさんはふっと微笑んだ。


……あ……

今の、笑った顔……やっぱり……



「なんか、あたし。

勝手に勇気もらっちゃった」


「…………!」


「想い続けていれば

もしかしたら奇跡が起きるなんてこと

………本当にあるのかもしれないね」



ヒカルさんは宙を見つめて、穏やかな声でそう呟くと

書類をしまったバッグを肩にかけて、すっと立ち上がった。
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