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片想いの行方 2
第12章 叶わない願い
もう姿が見えなくなったヒカルさん。

彼女の座っていた席を見つめて、ヒメが静かに口を開いた。


「……昔。
高校の図書室に呼び出された時、美和が口にした “ 願い事 ” を……
俺、今でも覚えてるんだ」

「………えっ?」


突然のヒメの言葉で、ドキンと心臓が鳴る。

……高校の図書室……

制服を着た私が1年間、彼を見続けていて

まだ夏の暑さが残る都大会の前に……

彼に想いを告げると、ヒメに報告をした場所だ。


「……どんな願い……?」


破裂しそうな胸を抑えて、真っ直ぐヒメを見つめる。




「 “ みんな、幸せになればいいのにね ” 」


「…………!!」


「みんなが好きな人に、好きになってもらえたらいいのになって、お前俺にそう言ったんだよ。

あの時は、バカじゃねーのって思ったけど

……10年経った今になって

あの頃の美和と、同じ気持ちになってる自分がいる」
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