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片想いの行方 2
第14章 行かないで
「……美和、大丈夫だから」


その小さな頭を優しく撫でる。

とにかく美和を安心させたい。


「何も変わらねーよ。
心配することなんてない」

「………でも」

「嘘じゃない。
俺はこれからもお前の傍にいる」


顔を上げたその瞳が、照明に照らされてキラキラと揺れる。

俺を信用しようとして、なんとか笑顔を作ろうとしてる美和。


……情けねぇな……

なんでもっと気の利いた言葉が出て来ないんだよ。

壊れるほど抱きしめたい衝動をなんとか抑えて

その愛しい頬を片手で包み込み、ゆっくりと顔を近付けた。


「………ん………」


美和の唇にそっと唇を重ねて、声にならない想いを注ぎこむ。

肝心な時に、甘い言葉を言えない俺は

こうしてキスをすることでしか、美和への愛情を表現できない。


………想いが強すぎて

どんな言葉も当てはまる気がしない。


「……ヒメ、私………」


美和が口を開いた、その時


RRRRRRR………


ポケットの中で、携帯が鳴った。
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